l「テッド、これ味付け何?」
t「あー、基本はルックんとこのと似たようなもんだと思うけどよ。隠し味に柚子」
l「柚子? 全然わかんなかった。へぇ、合うね」
t「だろー!? やっぱ家事の労苦を分かち合うならお前っきゃねぇなー!」
k「…ルー」
l「何、キキョウ」
k「…えっと」
l「何さ。あんたたちの家で僕が一緒に食事しちゃまずいわけ?」
k「…えっと」
t「くぉら、うちの弟を虐めんな。キキョウがンなこと言うわきゃねぇだろ」
k「…うん、えっと」
t「なぁなぁルック、こっちの煮付けも一工夫凝らしてんだけど」
l「黙って。キキョウがしゃべってるじゃない」
t「もうちょいかかるって」
l「だから待っててやるんでしょ」
t「お前、その優しさはどっから湧いてくんだ? アスフェルに一片たりと向けたことねぇだろ? つうか俺は根本的にお前がキキョウとその他とで態度を変える理由が真剣に分からん」
l「で、何、キキョウ」
t「シカトかよ!」
k「…えっと、ルーは、じゅけんせい?」
l「そうだけど一応」
k「…こうこうはどこ?」
l「あんまり師匠に迷惑かけたくないから、入学試験の成績上位者は入学費及び三年間学費減免措置のある私立を受けるつもりだけど。あと近いところ」
t「――そう来たか……」
l「はぁ?」
t「んーにゃ、こっちの話。おらキキョウ、もっと飲め!」
k「…うん」
l「ちょっとテッド。何かヤな予感がするんだけど」
t「俺に依頼してくれたら入試問題くらいちょろまかしてきてやるぜって、ほらな、お前そういう顔すっだろ。賢しらなくせに卑怯な行為は嫌がるんだから。だからしないっての。もっとオレンジジュース注いでやるよ」
k「…かんぱぁい」
t「よっしゃ乾杯!」
l「……何か、嫌な感じ……。はぁ」