l「……あんたが発端ね」
a「と、シーナ」
l「僕、そこらへんがよくわかんないんだけど。コレの大きさに何でそこまで目くじら立てるわけ? 普通人に見せないものなんでしょ」
a「見せないものというか……ルックに説明するのは骨が折れるな」
l「何それ」
a「要するに、ルックはビクトールやフリックに身長のことを揶揄されると腹が立つだろう? それと同じだよ。身長も×××も大きい方が男らしい」
l「ふぅん……」
a「納得しかねるか?」
l「だって、身長とコレってある程度は比例するでしょ。じゃあ成長期を過ぎない限り僕やテンプルトンはからかわれ続けるわけじゃない」
a「そこが味噌だよ。身長もソコもある程度までは確かに成長するけれど、皆がビクトールのような巨漢になるわけじゃあないだろう。つまり、身長や体重のようにコレも、皆が一様の成長を遂げるものではない」
l「そうだね」
a「さらに、コレと体格は一致しない場合が多い。使いこむことで色合いが変化することも多い。だからこそコレを比べあうんだよ。どちらの方が男らしい体格であるかだけでなく、体格にふさわしい、いや、それ以上のモノを持っているかどうか。普段他人へ見せないところだからこそ比べあう」
l「……語るね、あんた」
a「一般論だよ」
l「あんた自身は否定的である、と」
a「是。この軍内においても人材と大きさはまったく比例しないからね。ルック自身が好例だろう。そもそも体格ならまだしも、コレの大きさは女相手にしか役に立たない。それもまた、必ずしも大きい方が良いとは限らない」
l「……?」
a「……そこでそういう顔をするな」
l「何で? 女性を相手に使うって、……あ」
a「思い至ったか?」
l「ソレって……大きさも、何か関係するの……? 人数とか……?」
a「に゛ッッ」
l「えっと、生まれる子供の数が変わるってこと?」
a「……え、ああ、そういうことか、それは、そうだな、か、変わらないんじゃないかな、――な、シーナ」
s「いやいやいやいやいきなり風呂場の扉開けた瞬間しかも微妙に扱いにくそうな雰囲気丸出しの話題でさも親友のような気安さをオブラートにしつつ相槌ふられても困るんですけど! つうかアスフェル、お前こないだみんなで比べた時よかさらにちいっと成長してね!? おいどーなってんだお前のバズーカちゃんは!!」
l「……下品」
a「同感」